医院や商店など、事業の承継を後々まで円滑に行う一つの方法です(跡継ぎ遺贈型受益者連続信託)。
例えば、現在一緒に事業をしている息子さんや娘さんの後、跡継ぎとしたいお孫さんがまだ小さい場合やまだ生まれていない場合にも、事業用財産が他の用途に費消されずに引き継がれるように、託しておくことができます。
受益権を複数の相続人が持つこともできますので、株式を分けて相続することと異なり、安定した経営ができる上で遺留分の配慮もできるメリットもあります。
同様な観点からは、不動産の共同相続についても活用できます。
因みに、事業を、相続人以外の右腕といえる従業員に承継させる場合には、遺言を待つまでもなく、民事信託契約によって確実に経営権を承継させることができます(遺言代用信託)。
今すぐ信託財産としてしまう場合は契約で、ご自身の死後からにしたい場合は遺言で、意思を実現させましょう。
※信託銀行の「信託」とは異なります。
居住用以外の不動産等も合わせて信託財産とすることができ、オーダーメイドの信託が設定できます。思い通りの管理・給付・処分を望まる方には、お勧めします。
・「子どももないし、妻が困らぬように全て妻に遺したい」と、「妻にすべて相続させる」遺言を書く方が多いようです。
しかしこれは、ご夫婦で築いた財産の場合はよいのですが、もしそれが先代から引き継いできた家屋敷等で、いずれは自身の身内に引き継いでほしい、と希望する場合には、注意が必要です。
このような、家制度の旧民法時代の家産・跡継ぎとも似た考え方からすると、現在の相続制度は、個人の財産として、自由に処分され引き継がれる点で大きく異なるものです。つまり、「妻がなくなったその後は弟に」などの跡継ぎ型の遺言は、現在のところ認められていません。従って、妻に全財産を相続させた場合、ご自身亡き後、妻が遺言を書かずして亡くなると、遺産はご自身の身内に戻ることなく、結果的に妻の実家の親族に承継されていきます。
そこで、このような意向を実現するには、民事信託のスキームを使うことが必要です。妻は守りたいが、その先の承継も決めておきたい、という方は、妻が遺産を使って十分な生活を送った後は血族等に財産が戻るよう、信託しておくことをお勧めします。
・同様に、子・孫やその結婚相手が生活に困ることなく財産を使って、その後は、その遺言に左右されずに、自分の希望する人(血族なり)に財産を引き継がせたい、という場合も、信頼できる方に後々のことを託す形で、利用することができます。
・契約でする場合と遺言でする場合があります。また、税金のこと等、検討事項が多く、簡単ではありませんが、一つの選択肢として、是非ご活用ください。
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